Q 犬を飼いたいのですが(初めての場合)、犬を選ぶ時のポイントを教えてください。 |
A まず、どんな犬種を選ぶかだと思いますが、飼い始める前に飼いたい犬種について、性格や身体的特徴、犬種特有もしくは罹り易い疾患などを調べ、飼う人の生活環境に適しているかどうか確認することが大切です。 次に動物が健康であるかどうかは、あくまでも目安としてですが、
猫を飼い始める場合も同様ですが、子猫を保護して飼い始める場合は、何らか問題を抱えていることが多いので、お近くの動物病院に相談してみてください。 健康な動物を選ぶ事は非常に大切です。ただ、願わくば、生まれてきたどの犬であっても平等に誰かに愛され、少しでも長く幸せな日々を送れる機会を与えられたらと良いと思いますが・・・。 |
Q 狂犬病予防について教えてください。 |
A 狂犬病は動物だけではなく、人の命にも関わる、公衆衛生上極めて重要なウイルス感染症です、したがって、"人の健康を守るために"狂犬病予防法のもと、犬を飼い始めたら以下の事が義務付けられています。 予防法第4条(一部抜粋) 犬の所有者は、犬を取得した日(生後90日以内の犬を取得した場合にあっては、生後90日を経過した日)から30日以内に、その犬の所在地の市町村長(特別区にあっては、区長)に犬の登録(生涯に1回)を申請しなければならない。 犬の所有者は、鑑札をその犬に着けておかなければならない。(但し、マイクロチップ装着が義務化されてからは、その認識番号が鑑札とみなされます) 予防法第5条(一部抜粋) 犬の所有者(所有者以外の者が管理する場合には、その者)は、その犬について、狂犬病の予防接種を毎年1回受けさせなければならない。 犬の所有者は、注射済票(集合接種時、または動物病院で接種を受けた場合は獣医師発行の注射済証をもって各市町村に申請した時に交付されます)をその犬につけておかなければならない。 手数料として登録に3000円、注射済票の交付は550円(注射代別途)が必要となります。 詳しくは、“ペットに関する手続きについて”を参照して下さい また、狂犬病予防のワクチンはいわゆる混合ワクチンとは違いますので注意してください。 現在、日本は野犬の捕獲処分、予防接種の徹底、検疫による国外からの侵入の防止により、また島国であるということもあり、狂犬病に関して清浄国となっていますが、世界ではまだまだ多くの国で発生しています。 わが国では発生していないから、予防接種の必要はないということにはなりません。清浄国であり続けることも重要です。前述したように、どうやって清浄国になったか、なっているかを理解する必要があります。 また、狂犬病発生している国に渡航された場合は、現地の野犬や野生動物にはけっして不用意に触ろうとしてはいけません。 |
Q 混合ワクチン接種について教えてください。 |
A 犬は生後2ヶ月〜3ヶ月(目安)に複数回接種します。その後、必要に応じて年単位で追加接種をします。 犬の混合ワクチンは、ジステンパー、パルボ、アデノ、パラインフルエンザ、コロナのウイルス性感染症およびレプトスピラ感染症に対応しています。動物の年齢、地域やライフスタイルによって選択するワクチンは違ってきますので、何種が必要なのか、かかりつけの動物病院でよく相談したうえで接種を受けてください。 ただし、レプトスピラ感染症あるいはそれが含まれた混合ワクチンは、9週令以下の動物に対しての接種は避けるべきです。 猫は生後2ヶ月と3ヶ月(目安)に接種を行います。その後、必要に応じて年単位で追加接種をします。猫の混合ワクチンはヘルペス、カリシ、パルボウイルスあるいはクラミジア感染に対応したものを接種しますが、外に出る猫の場合は、それらに加えてFIV,FeLVに対応したワクチン接種が必要になるかもしれません。 ワクチン接種は、どうしてもアレルギ-反応などの副反応がでるかもしれないという問題がつきまといます。もしアレルギ-反応が出た場合、速やかに対応が行えるよう、できるだけ早い時間(できれば午前中)に来院してください。(また、午前中あるいは昼間に接種した方が、夕方あるいは夜間に行うより、より効果的な免疫応答を得ることができると思われます)また、ワクチン接種を受けましたら、その日は安静にして注意してみてあげて下さい。(様子を見てあげられる日にワクチン接種を受けてください) そういった副反応の発現の有無は、その時の体調も影響する可能性があるので、ワクチン接種は、体調も良く、疲れ等がない時に受けてください。 |
Q 去勢手術、避妊手術について |
A 去勢手術や避妊手術は治療として行う事も当然ありますが、若く健康な時に行う事も多いと思います。その場合は手術する目的や理由を明確にする必要があります。 若い頃に避妊、去勢手術をする目的 雄犬の場合:不適切な繁殖を防ぐ、マ-キングなど問題行動の回避、未去勢により将来起こるかもしれない幾つかの疾患、例えば前立腺疾患(前立腺がんは除く)や肛門周囲の腫瘍、会陰ヘルニアなどに対する予防的処置、停滞睾丸(睾丸が正常に陰嚢に下降せず、腹腔内などに留まっている状態)がある場合は精巣の腫瘍化、精巣捻転を起こさないための処置として 雌犬の場合:不適切な繁殖を防ぐ、将来起こるかもしれない子宮蓄膿症や子宮筋腫など生殖器疾患に対する予防的処置、乳腺腫瘍の発症率を低下させる(ただし、初回発情の前、遅くても2回目の発情前に行う必要があります)など また、穏やかな性格にするためを目的にした避妊手術はできません。 雄猫の場合:不適切な繁殖を防ぐ(特に外に出てしまう場合は)スプレ-や他の猫への攻撃性を抑制することを期待して(外へ出てしまう猫の場合、他の猫との喧嘩が減ると、猫エイズや猫白血病ウイルスなどが感染するリスクを減らせるかもしれない) 雌猫の場合:不適切な繁殖を防ぐ、発情を抑える、手術する時期にもよるが乳腺腫瘍発症率を抑える?(猫の場合は犬に比べてはっきりしていませんが、多くの猫が発情抑制の目的で“早期”に避妊手術をするせいか、結果的に犬に比べて乳腺腫瘍の症例は少ないように思えます。ただ、乳腺腫瘍が見つかった場合、悪性である確率は高い)など 去勢手術や避妊手術を行った場合、肥満傾向になりやすい、失禁や内分泌疾患が起こる可能性がある、切除部位で縫合糸が関係した過剰な炎症反応によるしこりの形成および周囲への癒着が起こる可能性があるなど、デメリットも考慮する必要があります。 そういったデメリット含め、将来なるかどうかわからない病気のために健康な動物に去勢、避妊手術を施すのは乱暴ではないかという声をよく聞きます。 しかし、高齢時や子宮蓄膿症(特に閉鎖性)など、リスクの高い状況で避妊手術をしなければいけないことが多々あることも事実です。 最初に述べたように、避妊手術、去勢手術をする理由、目的を明確にする事が大事です。手術のデメリットも含め、手術をするしない、する場合はいつするのが最適なのか、かかりつけの獣医師とよく相談して決めてください。 |